不動産クラウドファンディングの優先劣後スキームについて解説。

不動産クラウドファンディングの安全性を高めるための仕組みとして、各サービスに導入されているのが、優先劣後スキームです。

今回は、不動産クラウドファンディングにおける優先劣後スキームについて解説していきます。

優先劣後スキームとは

優先劣後スキームとは、ファンドへの出資総額を優先出資と劣後出資に分け、ファンドの運用で損失が出た場合に、クラウドファンディング事業者が損失分をカバーし、投資家の利益を最大限確保するための仕組みを指します。

不動産クラウドファンディングでは、優先出資者は投資家、劣後出資者はクラウドファンディング事業者(不動産特定共同事業 第1号事業者)です。

優先出資者である投資家には配当が先に分配され、損失は後で負担します。

一方の劣後出資者であるクラウドファンディング事業者には、配当が後で分配され、損失は先に負担します。

不動産クラウドファンディングでは、サービスおよびファンドの運営においていくつかのリスクが発生します。

実際に不動産クラウドファンディングにおいて生じる代表的なリスクは以下のものです。

・分配金変動リスク
・元本毀損リスク
・事業者倒産リスク

これらのリスク発生のうち、特に分配金変動リスクと元本毀損リスクに伴う損失を軽減するための仕組みの一つが優先劣後スキームです。

万が一ファンドの運用で損失が出たり不動産価格が変動して売却時に損失が出ても、優先出資者である投資家の利益は、劣後出資者である不動産事業者によって劣後出資分は守られます。

出典:不動産クラウドファンディング「property+」 はじめての方へ

例えば1000万円のファンドで優先劣後比率が8:2の場合、劣後出資者であるクラウドファンディング事業者は、ファンド運用で生じた投資家の損失を200万円までカバーします。

優先劣後スキームが導入されている不動産クラウドファンディング

優先劣後スキームは、トーセイ株式会社の運営するTREC FUNDING(https://trec-funding.jp/)をはじめとした一般的な不動産クラウドファンディングサービスにて導入されています。

また、TREC FUNDINGでは、優先劣後スキームに加えて、不動産特定事業者ではなくSPC(特例事業者)が現物不動産を保有してクラウドファンディングで集めた資金を運用することによる倒産隔離スキームを導入し、事業者倒産リスクを軽減しています。

優先劣後スキームを導入しているサービスにおける出資比率は、大体6:4や7:3などとなっていますが、ファンドによって異なります。

不動産クラウドファンディングに投資する際の注意点

優先劣後スキームは、ファンドの安全性を高めるための仕組みではありますが、投資をする場合は、あくまでも劣後出資相当額までが補填され、投資家の投資元本全額を保証するものではないという点に留意しましょう。

現在(2022年10月時点)、元本割れの発生している不動産クラウドファンディングはありませんが、万が一の損失に備えて優先劣後出資の比率については投資を決断する前に把握しておくようにしましょう。

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