クラウドファンディングはクーリングオフの対象か?法律とタイプごとの仕組みを詳しく解説。

クラウドファンディングではクーリングオフは適用されるのでしょうか。

クラウドファンディングでの投資を考えていたものの、「やっぱりやめたい」「解約したい」
そのように考える投資家も一定数いらっしゃいます。

クーリングオフが適用されるかを知るためには該当するクラウドファンディングサービスの法律を調べる必要があります。

投資家が安全に投資できるようにどのような仕組みが整備されているのでしょうか。

詳しく解説していきます。

そもそもクーリングオフって?

クーリングオフとは、一度契約の申し込み及び締結をしても、契約を再考でき、一定の期間内であれば契約の申し込みの撤回や、契約を解除が可能な制度です。

申し込みの撤回や契約解除は無条件で行うことができます。

特定商取引法によると、クーリングオフが可能なのは訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入です。

事業者にとってクーリングオフは商機を削がれる可能性のある制度であるため、それぞれの商取引で解約の期間が定められています。

  • 訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供
    法定書面を受領した日を含めて8日間
  • 連鎖販売取引
    法定書面を受領した日(商品の再販売があり、最初の商品の引き渡しを受けた日が書面より後の場合はその日)を含めて20日間
  • 業務提携誘引販売取引
    法定書面を受領した日を含めて20日間
  • 訪問購入
    法定書面を受領した日を含めて8日間(8日間は商品の引き渡しの拒否も可)

以上のように対面の商取引のみならず電子商取引においてもクーリングオフが適用される場合があります。

ただ、クラウドファンディングの場合規制する法律は、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)及び株式投資型クラウドファンディングの場合は金融商品取引法、不動産クラウドファンディングの場合は不動産特定共同事業法であるため、それぞれの法律が定める要件に従う必要があります。

クラウドファンディングのクーリングオフ

クラウドファンディングでクーリングオフが可能かどうかはタイプによって異なります。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業法の規制対象となります。

不動産特定共同事業法の第26条では、クーリングオフについてこのような言及がされています。

事業参加者は、その締結した不動産特定共同事業契約について前条第1項の書面を受領した日から起算して8日を経過するまでの間、書面により当該不動産特定共同事業契約の解除をすることができる。
2 前項の解除は、その解除をする旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 第1項の規定による解除があった場合には、当該不動産特定共同事業者は、その解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを請求することができない。
4 前三項の規定に反する特約で事業参加者に不利なものは、無効とする

出典:不動産特定共同事業法 第26条

つまり、不動産クラウドファンディングでは、契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリングオフが可能となります。

条文の「書面を受領した日」について、第43条では以下のような記載があります。

(1)電子メールの送付やファイルのダウンロード・閲覧の方法による場合 当該書面に記載すべき事項が事業参加者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへ記録された日
(2)CD-ROM等を交付する方法による場合 ファイルを受領した日

事業参加者=投資家が書面をダウンロードした日から起算して8日以内がクーリングオフが可能な期間ということです。

法律に基づき、クラウドファンディング事業者のホームページにも以下のような記載があります。

クーリングオフ制度

当サービスでは、お客様との契約の締結を紙媒体ではなく電子交付とさせていただきますので、お客様がパソコン又はスマートフォンで契約書面を受領した日から起算して8日を経過するまでの間は、クーリングオフ制度により契約を解除することができます。この期間内に解除を希望されるお客様は、書面にて解除を通知願います。出資金をお振込みされた後にクーリングオフを適用されたお客様につきましては、当社にて解除通知が確認でき次第、出資金額を返金いたします。
なお、この解除による違約金や解約手数料等の発生はございません。

特定商取引法よろしく、8日以内であれば解約に際して違約金・手数料などは基本的に徴収されない仕組みとなっています。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合、匿名組合出資はクーリングオフの対象にはなりません。

ただし、貸付事業に対するもの以外のインターネット経由での匿名組合出資への募集については、第二種金融商品取引業協会の定める「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」により、申し込みから8日以内はクーリングオフの対象期間となります。

「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」には、以下の記載があります。

第 35 条 正会員及び電子募集会員は、電子申込型電子募集取扱業務等に関して、顧客が募集又
は私募の申込みをした日から起算して8日を経過するまでの間は、当該顧客と事業者との間で
締結される出資対象事業の持分に係る契約において、当該顧客が当該募集又は私募の申込みの
撤回若しくは当該申込みに係る契約の解除ができることを確認しなければならない。

出典:「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」

電子申込型電子募集取扱業務=クラウドファンディングにおいて投資家保護および自己責任に基づく投資ができるような仕組みをしっかりと設定するべきであるとの取り決めが成されています。

このため、結果的にクーリングオフは可能ということになります。

金融商品取引法第37条3項に基づいて配布される「契約締結前交付書面」にはこのような記載があります。

匿名組合契約は、クーリングオフの対象にはなりません。
お客様とさくらソーシャルレンディング社が締結する匿名組合契約には、金融商品取引法
第37条の6に基づくクーリングオフの規定の適用はありません。

引用:さくらソーシャルレンディング株式会社 「重要事項説明書(契約締結前交付書面)」

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は、金融商品取引法の規制の対象です。

確かに、金融商品取引法第37条の6第2項には、以下のような記載があります。

前項(金融商品取引業者等と金融商品取引契約(当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を締結した顧客は、内閣府令で定める場合を除き、第37条の4第1項の書面を受領した日から起算して政令で定める日数を経過するまでの間、書面により当該金融商品取引契約の解除を行うことができる。)の規定による金融商品取引契約の解除は、当該金融商品取引契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。

しかし、ソーシャルレンディングサービスでは原則として金融商品取引法の定めているクーリングオフは適用されません。

投資家から集められた資金は企業に融資されますが、融資は企業への貸付であるため原則的に撤回ができません。

株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングも、金融商品取引法第37条の6のクーリングオフの対象ではありません。

しかし、有価証券の取得申し込みから8日以内であれば、申し込みを撤回することが可能です。

株式投資型クラウドファンディングサービスであるFUNDINNOの重要事項説明書にはこのような記載があります。

募集店頭有価証券の取得申込(キャンセル待ちの申込を含む)について撤回を希望される場合、申込日から起算して 8 日以内に、当社のお客様毎に設定される FUNDINNO マイページ画面上の該当するお申込みコースのキャンセルボタンをクリックすることで撤回する事ができます。 撤回に際してキャンセル料等は発生しません。 また、ファンディング・プロジェクトの成立日(約定日)前であっても、当該お申込みの撤回が可能な期間は、お客様ご自身のお申込日から起算して 8 日以内に限られますので、ご注意ください。
なお、募集店頭有価証券の取得のお申込みに関しては、金融商品取引法第 37 条の 6(クーリングオフ)の規定の適用はありません。

出典:FUNDINNO「重要事項説明書」

ソーシャルレンディングと同様に金融商品取引法の第37条の6の適用範囲外ではありますが、「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」により、クーリングオフの対象となります。

まとめ

この記事では、クラウドファンディングのクーリングオフ制度について述べてきました。

投資家保護の枠組みはクラウドファンディングでもしっかりと整備されており、安全な投資が可能です。

「勇気をもって投資をしようと思ったけどやっぱやめたい…」や、「別の案件に投資したくなった」など異なる欲求がわいた場合には、クラウドファンディングサービスごとの規定に従い速やかにクーリングオフを行いましょう。

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