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三井物産グループが手掛けるデジタル証券サービス「ALTERNA(オルタナ)」に密着

資産運用の新たな選択肢として、近年注目を集めている「デジタル証券」。
中でも、三井物産が手がける『ALTERNA(オルタナ)』は、10万円から大型不動産に投資できるサービスとして、多くの個人投資家から支持を集めています。

今回は、このサービスを展開する三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社の丸野様にインタビューを実施。
「デジタル証券とは何か?」という基本的な仕組みから、個人投資家に広がる新しい可能性、そして今後の展望まで、じっくりとお話を伺いました。

三井物産デジタルアセットマネジメント株式会社 丸野様のご紹介


三井物産デジタルアセットマネジメント株式会社取締役
丸野宏之

東京大学工学部システム創成学科卒。大手総合商社、(THE)ONE of THEM, Inc.を経て、2016年にフリーランスとして独立。Google Play Best games受賞、複数のコンシューマー向けプロダクト企画・開発・運営経験を経て、2018年LayerXに参画し、2019年に執行役員に就任。2020年に三井物産デジタル・アセットマネジメントへ参画、取締役就任。「世界一効率的なオルタナ運用会社」を作るべく、各業務のDXに邁進中。

サービス立ち上げの背景

--三井物産のグループ企業ということで、グループでの役割や、オルタナというサービスをなぜ始めようと思ったのか、個人投資家に向けたところという話があったと思うんですが、なぜそれを開始しようと思ったのか、きっかけなどありますか?

三井物産自体はいろいろな事業を展開している中で、不動産のアセットマネジメントの領域にはかなり以前から取り組んでおり、複数のアセットマネジメント会社の運営や、REITの立ち上げなども行ってきました。そのため、当該分野においては非常に豊富な経験を有しています。
また、商社というと、国内外で発電所や社会インフラに関わる多様な事業を展開しているイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実際にその分野でも深い知見を蓄積しています。

これまでは主にBtoBの事業を中心に展開してきましたが、一方で、個人資産運用に関するBtoC事業については、これまであまり注力してこなかったという背景があります。
そうした中で、私の出身元であるLayerXという会社との出会いをきっかけに、新しい技術と、これまで蓄積してきた資産運用や多様なアセット運用のノウハウを掛け合わせることで、個人投資家の皆様に向けた新しい商品づくりが可能になるのではないかと考え、この会社を立ち上げるに至りました。

なぜこの事業を手がけているのかという点についてですが、これは私自身がもともと金融に関してまったく知識がなかったという経験にも通じる部分があります。

日本全体で見ますと、個人の金融資産は総額で約2,000兆円あると言われており、そのうちの約半分が預金のまま眠っている状態です。いわゆる先進国の中では、投資に回されている割合が非常に少ないと指摘されています。
この背景にはさまざまな要因があると考えられますが、私たちならではの仮説としては、商品を作る側、つまりご提供する側が、まだ十分にお客様のニーズに応えられていないのではないかという点があると思っています。

投資というと、「怖い」「損をしたくない」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。だからこそ、そうした方々にも安心してご投資いただけるような商品を作っていきたいと考えています。
実は、こういった安心感のある商品というのは、機関投資家様向けにはすでに提供されているケースが多くありますが、それがなかなか個人の皆様に届いていないという現状があります。ですので、まさにこの領域にこそ私たちとしても大きなビジネスチャンスがあると捉え、現在注力して取り組んでいるところです。

デジタル証券とは何か

--デジタル証券といった分野の商品を取り扱っているということなんですけれども、そもそもデジタル証券とは何なのか、簡単にご説明いただいてもよろしいですか?

一番よくいただくご質問が、「そもそも証券はすでにデジタル化されているのではないか?」「株などは電子的に取引されているのではないか?」という点です。これについては、まさにおっしゃる通りだと思います。

では、何が「デジタル」なのかということですが、これはあくまで私なりの解釈になりますが、もともとはプロの投資家向けに、紙などで権利がやり取りされていたような資産が、より電子的に、取引しやすい形に進化しているという意味合いで、「デジタル証券」と呼ばれているのではないかと考えています。

つまり、これまで機関投資家の間でやり取りされていた、いわゆる「私募」と呼ばれるような、一部の人しか参加できなかった商品が、流通性を高める形で個人の方でも手に入れられるようになった。そうした商品が「デジタル証券」だとイメージしていただけると、分かりやすいのではないかと思います。

不動産クラウドファンディングとデジタル証券の不動産の違い

--当チャンネルでは、不動産クラウドファンディングの事業者様、これまで中心に取材させてきたんですけれども、ご説明いただいた不動産デジタル証券のように、特定の不動産に大勢で小口投資して、不動産の運用で得られた利益を出資者の方に分配するという、基本的なスキームは似ているところがあるのかなと思いますが、丸野様から見た不動産クラウドファンディングとデジタル証券の不動産の違い、あとは有意性というのはどんなところがあるとお考えでしょうか?

これは事業を開始する前の段階で、まずは不動産クラウドファンディングを活用してもよいのではないか、という検討をしておりました。
しかし結果的に、2つの理由から、現在の「不動産のデジタル証券」という手法を採用することに決めています。

まず1点目は、税制面の理由です。
特に課税所得が高い方や、比較的大きな金額をご投資される方にとっては、税制の影響が無視できない問題となります。
私たちの採用しているデジタル証券では、いわゆる株式と同様に申告分離課税(約20%の一律課税)が適用されるのに対し、動産クラウドファンディングの場合は、雑所得扱いとなってしまいます。
そのため、投資額が大きくなると、その分税負担も大きくなってしまう点が、選定における重要なポイントとなりました。

そして2点目は、流動性、いわゆるセカンダリー(流通性)の観点です。
基本的に不動産クラウドファンディングは、商品設計上あまり流通することを前提にしておらず、「短期間の運用+セカンダリー市場なし」が一般的です。
一方で、途中で換金したいというニーズが一定数存在することも私たちは認識しています。

その点、デジタル証券では、たとえ運用期間が長めでも、途中で売却できる機会が制度的にも担保されているという点が特徴です。
こうした「途中で売りやすい」という点も、デジタル証券を選んだ大きな理由のひとつとなっています。

投資家保護への取り組み

--次も不動産クラファンとの違い・比較というところになってくるんですけれども、不動産クラファンではほとんどのサービスが、優先劣後システム、いわゆる事業者さんが出資する劣後出資分までは売却損をカバーするという仕組みを導入されている方が多く、そうした仕組みは投資家保護の取り組みとして、投資家出資する側からも愛好される理由となっていますが、オルタナさんでは投資家への取り組みだったりとかは、どのようなものをされているかお伺いできますか。

実は、私たちも過去には「優先劣後構造」のうち、優先部分を投資対象とする案件を取り扱った実績があります。
それとは別に、投資家の皆様を保護するための仕組みとして、当たり前のように導入しているのが「倒産隔離の仕組み」です。
現在、私たちのファンドでは信託会社の枠組みを活用して運用しており、
実際の資産や、投資家の皆様からご入金いただく資金については、基本的に全額が信託会社で保全される形になっています。

このように万が一当社に何かあった場合でも、お客様の資産は守られるという体制を整えている点は、私たちのサービスの大きな特徴だと考えています。

もう一点が、投資家の皆様に向けた情報開示です。
私たちの全ての案件においては、株式でいうところIPO時に提出する「有価証券届出書」と同様の書類を、案件ごとにしっかりと提出しています。そのため、かなり詳細な情報までご覧いただくことが可能ですし、
その内容を分かりやすくサマリー化したものを、募集ページにも掲載しておりますので、事前にしっかりご確認いただけるようになっています。

こうした透明性の担保という点でも、私たちは力を入れて取り組んでいると自負しております。

対象とする不動産の特徴

--月次レポートとかもなされていて、透明性というところで開示されているなというのを拝見していて思いました。
次に商品性のところなんですけれども、対象とする不動産の特徴などがありましたら、教えていただけますか?

私たちの事業のテーマとしては、やはりプロの投資家の皆様の間でも、十分に売買対象として評価されるような「規模感」「立地」「建物クオリティ」といった点を強く意識しています。

例えばレジデンスの場合、いわゆる一室単位ではなく、基本的には一棟単位での投資対象とし、人口が集中している都内の“勝ち組立地”と呼ばれるようなエリアを狙って取り組んでいます。

それ以外では、有名観光地に立地するホテルも対象としており、過去には京都・熱海・浅草・汐留などのエリアでプロジェクトを実施してまいりました。

さらに、商業施設においても実績があり、たとえばイオン様の案件など、機関投資家の方々にも売買ニーズがしっかりあるような、クオリティと規模を兼ね備えた物件を狙って取り組んでいます。

リスクとリターンについて

--大規模な不動産というところとなると、空室リスクが抑えられたり、流動性が高いイオンさんのような商業施設ですと、一般的な一室などの不動産に比べると、リスクは抑えられるかなと思うので、投資対象としてはすごく魅力的かなと思います。
一方で、投資で得られるリターンに関して、不動産クラファンでは、2024年の業界平均の予定利回りが約6%から7%となっているところ、オルタナの平均が3%から4%と少し物足りないかなと見る方もいらっしゃるかもしれませんが、その点についていかがですか?

こちらも、ほぼ毎日のようにご質問いただく内容です。
まず、クラファンチャンネルさんをご覧になっている方はすでにご存知かもしれませんが、不動産のリターンには大きく分けて2つの種類があります。

1つ目は、ファンドを運用している期間中に得られる、主に賃料収入を背景とした「いわゆる大家さん収入」、いわゆるインカムゲインと呼ばれるものです。
2つ目は、運用終了時に物件を売却することで得られる売却益(キャピタルゲイン)です。

クラウドファンディング型の事業者さんでは、これら2つを合算して利回りとして表示しているケースが多いのですが、私たちの場合は少し異なります

一部、分けて開示できない部分もあるものの、基本的には「インカムゲイン(安定した賃料収入)」のみを事前に開示しています。
その上で、物件の売却によって利益が出た場合は、「プラスアルファ」としてリターンに上乗せする形で、投資家の皆様に還元しています。

実際に、過去の償還実績においても、すべての案件で当初提示していたリターンに対して上乗せした形で償還できており、利回りの面でも決して見劣りするものではない、という点をぜひお伝えしたいと思っています。

--昨今、不動産クラファンで開発型とかキャピタル型の中でもハイリスク・ハイリターンで10数%みたいな利回りを掲げて運用遅延が発生してしまう案件も出てきていると思います。
オルタナさんはリスクを抑えつつ、安定性を高めるような商品設計を行っているのだなと感じましたし、ハイリスク・ハイリターンはちょっと怖いなと思われる投資家さんにとって、非常に魅力的だと感じました。

私たちも、「投資のハラハラ感」を求めたいという方がいらっしゃる場合には、ハイリスク・ハイリターン型の投資商品を選択肢に入れていただくのも一つの方法だと考えています。
実際、株式などをはじめ、しっかりリスクを取って大きな値上がりを狙える商品は世の中に数多く存在しますので、そういった選択肢も含めて幅広くご検討いただくのが良いのではないかと思います。

ただし、期待リターンが2桁%や、年率で7〜9%台といった高利回りの案件については、プロの目から見ても相応のリスクを伴っているとご認識いただいた方が安心です。
このあたりは、投資における「好み」や「スタンス」によっても異なる部分ではありますが、利回りの高さに惹かれて投資される際には、たとえば「本当にリターンが返ってくるのか?」「詐欺ではないか?」といった点を慎重に見極めたり、投資額を抑える・分散投資をするといったリスクヘッジを併せてご検討いただくとよいかと思います。

一方で、私たちが目指しているのは、どちらかというと“預金の代替となるような商品”です。
つまり、「銀行口座にただ眠らせておくくらいなら、少しでも資産を活かしておきたい」といったニーズをお持ちの方に、安心して使っていただける選択肢として、ぜひご活用いただければと思っています。

今後の展望

--最後に今後の展望についてお伺いしたいのですが、現在デジタル証券の市場は、ほぼ全て不動産という状況だと思いますが、不動産以外の今後のアセットの裏付けなども考えられているのでしょうか?

私たちのサービス名である「オルタナ」には、さまざまな意味が込められています

まず一つは、「オルタナティブ投資」と呼ばれる資産カテゴリーを指しています。
従来の投資商品といえば、株式や債券といったものが基本とされてきましたが、それら“王道”以外の資産をまとめて、オルタナティブ資産と呼びます。

このような資産は、これまで主に機関投資家の世界で扱われてきたものが多かったのですが、私たちはそれをより多くの個人の皆様にも提供できるようにしていきたいと考えています。不動産も、まさに代表的なオルタナティブアセットの一つですが、私たちは今後、それ以外の新しい商品も続々と展開していきたいと考えています。

直近では、不動産に近いカテゴリーといえる、安定した利用料収入が見込める「インフラ資産」を次なる対象として注目しています。
現時点では、まだ具体的な案件の詳細はお伝えできませんが、今後の展開を楽しみにしていただければ嬉しく思います


メッセージ

--最後に視聴者の皆さまへメッセージをお願いできますか。

普段いろんな資産運用を検討されている皆さんが多いかなと思うんですけれども、その中に新たなデジタル証券という選択肢が生まれてきて、その中で今中心になっているのは不動産なんですけれども、結構ご存じない方いらっしゃるので、ぜひこの機会にご自身でも調べていただいて、そんなのがあるんだなというのを知っていただけるとありがたいなと思っています。

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