
不動産クラウドファンディングは2018年頃の黎明期から市場が立ち上がり、2024年まで継続的な成長を遂げてきました。一方で、2025年は市場規模の観点から見ると、成長が一服し、やや停滞感のある一年となりました。
本記事では、不動産クラウドファンディングの現状を多角的に把握するため、2026年時点における最新のサービスカオスマップを公開するとともに、2025年に募集されたファンドデータの集計結果をもとに、市場動向やファンド傾向を整理していきます。
【2026最新版】不動産クラウドファンディング
カオスマップ
以下は、2025年の市場環境やサービスの淘汰・再編を経たうえで整理した、2026年時点の最新カオスマップとなります。
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<本マップ製作における留意点>
※ 不動産特定共同事業法(不特法)における電子取引業務を行う事業者に限定
※ 2025年12月31日時点でリリース済み、かつ運営中のサービスを対象
※ 上場Gr(グループ)のカテゴリは、自社または親会社が上場企業であるサービスを対象
※ 不特法3号・4号事業者については、許認可の有無に関わらず、実際にSPC型ファンドの組成実績があるサービスを対象
※ 約2年以上にわたりファンド募集実績が確認できないサービスは除外
2026年現在、約98社の不動産クラウドファンディングサービスが運営されており、2018~2020年頃の黎明期と比較すると、数多くのサービスが存在する状況となっています。
一方、2025年に新たに開始されたサービスは【5社】にとどまり、例年と比べても少ない結果となりました。背景として、2024年後半から2025年前半にかけて発生した、一部不特事業者における行政処分や償還遅延などのトラブルが影響し、国交省および各行政機関による監督・指導が強化されたことが考えられます。
この流れは2026年も継続すると見込まれ、新規事業者にとっては、引き続き参入ハードルの高い環境が続くものと予想されます。
データで振り返る2025年の不動産クラファン
ここからは、2025年に募集されたファンドデータの集計結果をもとに、不動産クラウドファンディング市場を振り返ります。最新のファンド傾向や市場状況を把握する際の参考としてご覧ください。
※本集計は、当社が独自に収集しているファンドデータに基づく結果となります。
市場規模の推移
募集金額の合計をベースとした市場規模の推移は以下の通りとなりました。

25年の募集金額合計は約1,711億円となり、前年とほぼ横ばいの結果となりました。
年初時点では2,000億円突破も見込まれていましたが、前述したトラブルの影響により、投資家の投資姿勢が慎重化したことが一因と考えられます。その結果、各サービスにおける募集環境も厳しい一年となった可能性があります。
募集金額・想定利回りの上位ランキング
※本ランキングは集計結果であり、良し悪しを判定するものではありません。投資の際には必ずご自身の判断にて行うようにしてください。

「COZUCHI」や「CREAL」といった長年業界を牽引してきたサービスが引き続き多くの募集実績を積み上げる一方で、「らくたま」「FUNDI」といった新興サービスも着実に募集金額を伸ばしている様子が見て取れます。

「Victory Fund」「ヤマワケエステート」といった開発型、キャピタル型のハイリスクハイリターン案件を中心に扱うサービスが上位を占める結果となりました。
想定利回りの高さから多くの投資家から支持を得る一方で、リスク面への透明性や開示姿勢など投資家が見るポイントも厳しくなっています。
全体の平均指標
2025年の不動産クラファン全体における平均指標は以下の通りでした。
募集金額 :約2.04億円
想定利回り:約7.0%
運用期間 :約11.6ヶ月
募集形式 :先着57%、抽選43%
業界全体として想定利回りは上昇傾向にありますが、一般的にリターンの拡大はリスクの増加と表裏一体である点には留意が必要です。
また、運用期間についても12カ月未満と短期化が進んでいます。短期運用は資金回収の早さというメリットがある一方で、キャピタル型や開発型案件においては、想定どおりに売却が進まなかった場合、運用期間の延長といったリスクが生じる可能性もあります。
分配原資の統計図

比較的安定した収益を得やすい「インカム型」が約40%と一番大きな割合を占める一方で、「キャピタル型」、「開発型」といったリスクの高い案件も全体の約28%と高い割合となっています。
2025年はインカム型案件が比較的安定した運用傾向を示した一方で、リスクの高い案件では、償還遅延などのトラブルが発生するケースも見受けられました。
都道府県別の統計図

トップは東京都、愛知県、神奈川県、大阪府と都市圏が占める結果となりました。他にも沖縄県や北海道、長野県などリゾート、レジャーエリアの対象不動産を扱う案件も多く見られました。
なお、不動産特定共同事業における「地方創生」といった本来の目的でみると、地方案件はまだまだ少ない印象で、今後の活用が期待されます。
総括
不動産クラウドファンディング業界全体として、2025年は市場成長が一服する一方で、相対的にリスクの高い案件が増加した一年となりました。
今後、事業者にとっては新規参入の難易度が一層高まり、投資家にとってはサービス選定やファンド内容の見極めがより重要になると考えられます。
こうした状況を踏まえ、2026年は業界全体の健全化が進み、各サービスにおける情報開示や透明性、投資家対応の質がより一層向上していくことが期待されます。
サービス事業者と投資家が相互に信頼関係を築きながら成長していくことが、今後の不動産クラウドファンディング市場の発展における重要な課題といえるでしょう。




